あれは忘れもしない。
時間は8月23日15時24分。
私は盛岡出張で得意先のところにいた。
お客さんの話が右から左に流れている時に、「あれ?何か腹痛いな。昼に辛いもの食ったから、とうとうその影響が来たか........。」と、いつもの辛い物を食べた後の副作用だと思って気にしなかった。
お客さんのところから出て、とりあえず最初に向かったのはコンビニのトイレ。予想通り肛門から溶岩が噴出され、出口がヒリヒリと痛かった。
「やっぱりか......。この腹痛は辛さから来るものだったんだ。」と、私の火口から溶岩を出しきったところでトイレを後にして、140円のちょっとデカイ麦ティーを買ってコンビニを後にした。
しかし、何か体の様子がおかしい。腹痛が収まっていないのだ。いつもとは違う調子に少し戸惑ったが、そんなに重くは受けとめずに残りの得意先訪問を続けていった。
痛みはどんどん強くなり、一日の仕事が終わる頃には悶絶するほど悪化していて、たまらずお腹をさすったらあることに気づいたのだった。
「あれ?腹じゃない.........?どこだ?どこが痛い!?こ、これはまさか................」
キャン玉ちゃんだ!!!!!右のキャン玉ちゃんが痛い!!!!
どうりで悶絶する程痛いわけだ。キーンという痛みが動くたびに続く地獄.......。男性ならこの辛さがわかるだろ?
とにかくこの現状をどうにかしようと、盛岡の病院に救急で駆け込みエコー検査をしてもらった。結果は多分炎症を起こしているということ。救急で外科の先生しかおらず、明日起きて必要だったら泌尿器科に行ってくださいと言われたのでとりあえず仮払の5,000円だけ払って撤退。その日は激痛に耐えることに。
次の日の朝になると「お!治ってる!昨日の症状は一時的なものだったんだな。」と思ってましたが
その油断が後の大地獄へと繋がるのだった................。
というわけで、前置きが長くなりましたが今回は急に睾丸が痛くなった時の
・考えられる病名は?
・何科に行けばいいのか?
・診察とかの費用はどのくらいかかるのか?
などの疑問点を実体験を踏まえて、どうしたらいいか対処法を紹介したいと思います。
睾丸が痛む場合に考えられる症状は?
睾丸に痛みが出た場合考えられるのは以下の病名が考えられます。
精巣捻転
精巣捻転とは、文字通り精巣がねじれてしまうことです。精巣は、精管、精巣静脈、精巣動脈からなる精索という構造で体とつながっています。精巣がねじれることによって、この精索が締めあげられ、血流の停止がおこります。
25歳以下の若年男性に発症することが多く、突然の精巣痛で自覚します。精巣捻転が発症してしまうと、精巣の血流が遮断しているため一刻も早い治療を必要とします。
精巣上体炎 - 03. 泌尿器疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
精巣上体炎
精巣上体の炎症で,ときとして精巣の炎症を伴う(精巣精巣上体炎)。陰嚢の疼痛および腫脹が通常は片側性に生じる。診断は身体診察に基づく。治療は抗菌薬,鎮痛薬,および陰嚢サポーターによる。
精巣上体炎 - 03. 泌尿器疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
精巣垂捻転・精巣上体垂捻転
精巣や精巣上体にある2,3mmの突起がねじれて痛みの原因となります。これらは精巣捻転とは違って手術の必要はありませんので精巣捻転との鑑別は重要です。ドップラー超音波検査では、精巣や精巣上体のかたちと血液のめぐりは正常で、精巣や精巣上体に接して小さな突起物が描出される場合があります。
日本泌尿器科学会-The Japanese Urological Association (JUA) こんな症状があったら - 陰嚢内が痛い - 一般のみなさま向けサイト
精巣炎
巣炎は精巣の感染症で,典型的にはムンプスウイルスに起因する。症状は精巣痛および腫脹である。診断は臨床的に行う。治療は対症療法による。細菌感染が同定された場合は抗菌薬を投与する。
精巣炎 - 03. 泌尿器疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
精巣がん
精巣腫瘍の主な症状は、片側の精巣の腫(は)れや硬さの変化です。しかし、多くの場合痛みや発熱がないため、かなり進行しないと気付かないことも少なくありません。また、精巣腫瘍は比較的短期間で転移(腫瘍(がん)が離れた臓器に移動して、そこでふえること)を起こすため、転移によって起こる症状によって、もともとの病気である精巣腫瘍が診断されることもあります。転移した部位により症状は異なり、例えば、腹部リンパ節への転移の場合では腹部のしこり・腹痛・腰痛などが、肺への転移の場合では息切れ・咳(せき)・血痰(けったん)などがあげられます。
精巣(睾丸)腫瘍 全ページ表示:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
※精巣がんに痛みは極稀な症状だそうです
①泌尿器科クリニックへ行く
睾丸に痛みが出たらまずは泌尿器科に行きましょう。私の場合最初に泌尿器科に訪れた時の症状は、腫れてはないのですが歩くだけで右の睾丸に激痛が走り、ポケットに手を突っ込んで下から支えてちょっと前かがみになりながら医者に辿り着いたという状況です。傍から見たら完全に目を合わせていけないタイプの変態です。通報されても仕方が無いレベルの。それでも僕はやってない。
初診では
・検尿
・血液検査
・触診
・エコー検査
をやりました。
検査結果は、「右の睾丸の一部分の色がおかしい」ということでした。尿も綺麗だし、血液検査の数値にも異常がないので抗生物質と痛み止めで様子をみるということになりました。そして2日後に再診。この時点で、重病だったらどうしようと気分が落ち込む。パワプロ風に表すと下の画像で青の状態になる。
この日かかった金額は
診療費 4,900円
抗生物質+痛み止め(5日分) 1,250円
②泌尿器科クリニックでの再診
症状は変わらず再び同じ泌尿器科に訪れました。この日の再診は
・検尿
・触診
・エコー検査
をやってもらいました。
そして結果は原因不明。ただ一昨日とはキャン玉ちゃんの形が少し変わっていると言われました。「え、やばくね?」と更に気分は落ち込みこの状態に。
紹介状を書くので病院に行ってくださいと言われたので、蚊の鳴くような返事で頷く。
かかった費用は
診療費 1,310円
③紹介状と共に病院の泌尿器科へ
足取り重く病院へ向かう。天気はまさかの大雨。まるで私の気分を鮮明に表している様だ。
朝一の8:15分に到着して受付を済ませますが、予約のお客さんにどんどん抜かれて行く。ディズニーのファストパス勢を見送る気分で、ただただ人の流れを眺めている。前に座っている人が思いっきり被ってテレビも見れない。
そして肝心の診察は、
・エコー検査
・血液検査
・触診
検査の結果、右の睾丸に2cmぐらいの何かがあると言われる。それが膿が溜まっているのか、腫瘍なのかわからず、次の日にMRIを受けることに。若い人の方が発症する可能性が高いという「精巣がん」という文字が頭をよぎる。もう気分はどん底。
この日にかかった費用は、初診料を含めて4,970円
④病院の泌尿器科での再診(MRI)
足に重りがついているかのような足取りで病院へ。
初めてのMRI検査を受けることになるが、ここで新たな敵と遭遇。そいつの名は「造影剤」。どうやら画像診断検査をより分かりやすくするために用いる薬剤らしい。前日にこれを使うとは聞かされて、書類にもサインをしたのですが、こいつをまさか注射で注入するとは思ってませんでした。飲むタイプのものだと思っていたのに......。しかも注射での注入先が腕でした。腕にする注射ってめちゃくちゃ痛いんですね。献血の比じゃないくらい嫌な感じと痛みがありました。そして造影剤が血管を通して流れていく感じが、腕の血管がなんか冷めていく様な感覚があり気持ち悪い。
MRIの機械の中はどうやらもの凄くうるさいらしくて、ヘッドホンをさせられました。何か聞いたことのない音楽が流れて、寝ようにも寝付けない。手には握ったら何かあった時に警告してくれる奴。名前はまだない。いや知らない。
体感的に10分ちょっとして機械の中から出されて、「終わったー」と思ったら二度目の造影剤注入。注入されて何か一瞬気持ち悪くなり吐き気が襲ってくる。台に縛られ変な薬物を注入されてる自分を見て、バイオハザードでウイルス注入されてる人ってこんな気分なのかと余計な事を考え始める。
そんなこんなで約20分強くらいでMRI検査が終了。腕には1発目の造影剤を注入されてから、MRI検査が終わるまで注射器が刺しっぱなしで固定されてるため、ここで針を抜く。顔が少しゆがむぐらい痛い。
とりあえず未知の注射から解放され気分が少し晴れやかになり帰宅。結果は次の日。
ここでかかった費用は
MRI検査費 8,400円
⑤またまた病院へ(MRIの結果を聞きに行く)
めちゃくちゃドキドキしながら結果を聞きに行く。10時30分に予約を入れていたのにも関わらず、救急の人がいたらしくて結局12時30分前に診察室に入る。
「こっちは覚悟を決めてきている。何を言われたって何も驚かない!」みたいな顔をして、内面心臓破裂しそうな状態で先生の声に耳を傾ける。
医者「血液検査とMRI検査の結果を見ると癌ではなさそうだね」
その一言で一気に張りつめた心が解き放たれた。もう気分は赤。
結局詳しい原因は全くわからなかったのですが、何らかの理由で血流が悪くなっているのではないかと言われました。原因がわからないのは気持ち悪いですがとりあえず今のところ癌ではなかったのでホッとしました。
とりあえず様子見で、念のため次回は10月25日にエコー検査が入りました。
この日にかかった費用
診療費 220円
まとめ
睾丸が痛くなって今日までの流れ
診察 | 費用 | 訪問日 | |
①泌尿器科クリニック(初診) | 検尿・血液検査・触診・エコー検査/抗生物質・痛み止め | 4,900円/1,250円 | 8/25 |
②泌尿器科クリニック(再診) | 検尿・触診・エコー検査 | 1,310円 | 8/27 |
③病院の泌尿器科(初診) | 血液検査・触診・エコー検査 | 4,970円 | 8/28 |
④病院の泌尿器科(再診) | MRI検査 | 8,400円 | 8/29 |
⑤病院の泌尿器科(再診) | MRI結果発表 | 220円 | 8/30 |
合計 | 21,050円 |
痛てー。超痛てー。いや、今は睾丸よりも財布が痛てー。
とりあえず日に日に痛みはなくなっていて、最初から腫れはないので今のところ良好だと信じたいです。世の男性諸君も急に身に覚えのない痛みが金玉に来ることがあるので気を付けてください。
特に玉がねじれている場合は、12時間経過してしまうと約50%の精巣が血流遮断によって大ダメージを受けて摘出しなければならない状態になってしまうみたいです。
冗談抜きで怖ぇ........。
【精巣捻転の痛み or 全身麻酔について知りたい方はこちら⬇︎】
www.otasuke-chibi.com